ムッシュWineColumn

【Vol.1 抜栓したワインの保存】

ワインを家飲みするとき、抜栓したワインを全部飲み切れない場合があります。 お酒に強い方なら全部飲み切ってしまわれるかも知れませんが、一度にいろんなワインを食事に合わせて飲みたいときにはそうもいきません。

ワインを開けると酸化が始まる

私も料理に合わせてワインを飲みたいので、少なくとも赤、白の各一本以上を開けています。 ところがワインは抜栓して空気に触れると酸化が始まって味が変わっていきます。 ワインは開けて直ぐに飲むのが適しているもの、しばらく空気に触れさせた方が美味しいものと色々あります。 これはワイン解説書に書いてあることが多いので、それを参考に後は飲む人の好みでその時間を調整するのが理想です。

時間による変化を楽しみたい

時間経過による変化を嫌うのではなく、それを楽しむ飲み方もあります。 私はその変化が面白いので、時間のあるときはゆっくり飲んで、変わってゆく味と香りを楽しんでいます。

でもその日飲み切れなくて残ったワインは、次に飲むときには酸化が進みすぎて味が落ちてしまうことがあります。 それは大変勿体なく、翌日も美味しく飲みたいものです。その酸化を防ぐための便利な道具があるので紹介します。

ワインセーバー(VACU VIN)

先ずはボトル内の空気を吸い出して酸化を遅らせる代表的なポンプで「バキュバン(vacu vin)」。 ストッパーを瓶口に差し込んで、ポンプを上下することで中の空気を吸いだすオランダ製のワインセーバーです。

吸い出していると「カコン、カコン」と音がして空気が抜けたことが分かります。 複数ワインの保存にもストッパーだけ買い足す事ができて、使用法も簡単でとても便利です。

スパークリングにも使えるスイスマー

バキュバンと同じくボトル内の空気を抜くことで酸化を防止するワインセーバーに「スイスマー(SWISSMAR)」があり、こちらはスパークリング用ストッパーを使えばスパークリングワインの炭酸抜け防止にも使え一石二鳥です。

ただ炭酸抜けを防止する効果は限定的で少しずつ抜けていくので、出来るだけ早く飲み切るようにしています。 こちらはバキュバンのように空気が抜けたことを知らせる音はしません。

完全に酸化を防ぐコラヴァン

ワインセーバーの最高傑作にコルクを開けずに炭酸ガスの圧力で専用ニードルを通してワインを注ぐ「コラヴァン」という画期的な道具があります。 ワインは一度も空気に触れることなく炭酸ガスで押し出されるので、酸化を完全に防いでくれますが、炭酸ガスカートリッジの価格が安くないのでかなりの高級ワインでないとメリットがありません。

かぶせるだけ!超簡単ワインセーバー

もう一つ、飲みかけのワインにかぶせるだけの超簡単なワインセーバー「アンチ・オックス」があります。 これは内部のカーボンフィルターが酸化の原因となるワインの揮発成分と酸素の接触を抑制するという従来とは違う仕組みです。

「アンチ・オックス」の説明では「バキュバン」よりもかなり高性能に酸化を遅らせることが書かれていますが、毎日少しずつ飲んで味覚の変化を比較した人の話ではバキュバンの方が変化が少なかったらしく、飲み方にも依存するようです。 毎日ではなく一度飲んで数日間保存するような使い方で性能を発揮するのかも知れません。 かぶせるだけで酸化防止なんて凄い発明です。

私は毎日少しずつ飲む機会が多く、気楽に使えるバキュバンとストッパー4つを愛用していて、抜栓後1週間は十分美味しく頂けています。

複数のワインを一度に開けても、飲み切れなくても安心です。

ワイン愛好家
浦田 隆之

ヨーロッパ旅行がきっかけでワイン好きになり、ほぼ毎日ワインを愉しんでいます。
飲み始めたころは知らなかったワインを美味しく飲むための知識も少しずつわかるようになりました。温度や時間、グラスの違いなど、知ることで同じワインが2倍にも3倍にも美味しく頂けます。


※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています

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