ムッシュWineColumn

【Vol.5 ワインセラー】

ワインを自宅でよく飲むようになり、複数本購入して保管し始めると、暑い夏場での品質劣化が気になってきます。 せっかく手に入れた美味しいワインが傷んでしまわないように、一定温度をキープしてくれるワインセラーが便利です。 ワインセラーには大きく分けて2つのタイプがあります。

コンプレッサー方式

一つは冷却にコンプレッサー方式を採用したもので、仕組みは冷蔵庫と同じなので外気温が高い時でもガンガン冷やしてくれます。 気温が低すぎるときは暖房に切り替わったり、湿度まで調整してくれる高機能なタイプもありますが、これはワインを保管して長期熟成する人以外には必要ないでしょう。

またコンプレッサー式は内部が分割されていて温度を2通り設定できるものがあり、赤ワイン用と白ワイン用に温度設定を分ければとても便利です。 デメリットとしてはサイズが大きい、作動音が比較的大きい、価格が高いなどです。但し運用コスト(電気代)は安くなります。

ペルチェ方式

もう一つはペルチェ方式のワインセラーです。 2種類の半導体を電極でつないで電気を流すと一方で吸熱、もう一方で発熱が生じるペルチェ効果を利用した冷却装置です。

小型で動作音が静か、真夏でも赤ワインの飲み頃温度である18度くらいをキープしてくれ、購入価格が安いのが魅力的です。 半面冷却能力は低く、急速に冷やすことは出来ません。 白ワインの飲み頃温度にキープするのは無理です。

夏場の品質保持目的ならペルチェ

私もワインを何本かセットで買うので、保存用にワインセラーを持っています。 目的は夏場に気温が40度になっても買ったワインの品質が悪くならないようにです。 そのため高性能なコンプレッサー式のワインセラーではなく、簡単なペルチェ方式のワインセラーで十分です。

このタイプは冷却能力が低いので、白ワインを飲むときは冷蔵庫で冷やします。 出して直ぐはちょっと冷え過ぎですが、数分置いておけば丁度いい温度になり特に困ることはありません。 冷えた状態からだんだん温度が上がるにつれ変わってくる香りや味わいも楽しみの一つです。

飲みかけのワインは酸化防止のためバキュバンで空気を抜いてから、赤ワインはセラーへ、白ワインは冷蔵庫に入れます。 食事に合わせて複数ワインを開けて飲む私には、ワインセラーは必需品です。

便利なのはコンプレッサー方式

コンプレッサー式ワインセラーの冷却能力は強力です。 冷蔵庫同様に冷やせるので、白ワインの飲み頃温度でも大丈夫。 試飲用に事務所に設置されているセラーは、上側と下側で温度を別々に設定できます。 沢山の赤ワインと白ワインをそれぞれの飲み頃温度に保つことが出来る優れものです。 事務所なら設置場所も動作音も全く気になりません。 ご自宅でも広いリビングや専用の保管場所があるなら、いつでも飲み頃温度でワインが飲めるコンプレッサー方式が適しています。

ワイン愛好家
浦田 隆之

ヨーロッパ旅行がきっかけでワイン好きになり、ほぼ毎日ワインを愉しんでいます。
飲み始めたころは知らなかったワインを美味しく飲むための知識も少しずつわかるようになりました。温度や時間、グラスの違いなど、知ることで同じワインが2倍にも3倍にも美味しく頂けます。


※20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています

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